和製X-ファイル!『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』

白石晃士監督のフェイクドキュメンタリー、『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』を観ました。

昨年の「FILE-01口裂け女捕獲大作戦」に始まり、「FILE-02震える女」「FILE-03人喰い河童伝説」がリリースと、順調にシリーズ化が進んでいる今作、これがスゴく面白い!

映像制作会社に送られて来た投稿映像を元に現地取材を行う「ほん怖」のフォーマットを取りながらあくまでフィクションとしてエンタメするサービス心が素晴らしい。

白石監督は「オカルト」「ノロイ」のようなフェイクドキュメンタリー作品をたくさん撮ってるけど、今作が最もリアルと虚構のバランスがとれていてるように思います。幽霊を追いかけていたかと思いきや宇宙人と遭遇したり、人喰い河童と相撲をとったり、監督本人が意識していると言われているように、フェイクドキュメンタリーでありながら毎回観客を驚愕させる飛躍した展開。

また、主人公?となる工藤ディレクターのキャラクターが新しい。白石監督の「バチアタリ暴力人間」に登場する彼らを下敷きにしたのではないかと思われる、傍若無人なキャラクターは全く共感は呼ばないけど、惹きつけられる魅力に溢れています。ミスした部下は殴る、聞き込み相手を殴る、霊に憑かれた人は殴って正気にもどす、河童にカウンターパンチをキメる、心霊モノの定番をぶち壊す彼の突破力はこの作品の最大の魅力。

ファイルごとに物語は独立してるものの、シリーズ通して大きな異世界との干渉が描かれていくような展開になりそうで今後が楽しみ。ちなみに次作は「真相!トイレの花子さん」で、予告を見る限り、花子さんと物理的に戦う工藤Dの姿が見れそうです。