富夫

★★　古賀新一×伊藤潤ニ×御茶漬海苔というホラーコミック界の3人の巨匠が贈る最恐のプロジェクト“古潤茶”第2 弾。今回は伊藤潤二の人気シリーズ「富江」の男性版「富夫」です。

伊藤潤二のコミックはたくさん映像化されていますが、とくにこの富江シリーズは随分昔から映画化されており、初期は菅野美穂、宝生舞、酒井美紀などが富江役を演じ、妻夫木聡や宮崎あおいらも出演していたこともあるＢ級ホラーにしてはなかなかお金のかかったシリーズ「でした」。今もまだ色々と趣向を変えて続いてはいるものの低予算になってしまったため随分と安く仕上がった作品になってしまっており品質もあやしくなっています。そんななか今回の「富夫」はいつもにましての低予算な作りながら気の抜けたそこそこ観れるホラーコメディ？に仕上がっていたと思います。

主人公の富夫は浮気相手の占い師にかけられた呪いで頭が首からもげてしまい、もげた頭をとれないように手でおさえながら街をさまよいます。お話はただそれだけ。街の中を「頭がとれそうだ〜」とさまよってるだけで一向にとれません。病院に行ってレントゲンをとって騒ぎになったりするものの、やっぱりとれない。

この作り方なら血糊さえあればイケる！さすがに観客を納得させるためには一回くらいは首もげるシーンは必要だろうけど。安く仕上がるなあと感心しました。ホラーなラストにはなっているものの、頭がとれてるのに呑気に商店街を歩く富夫のシュールな画が楽しく、原作漫画の雰囲気にはかなり近いものを感じました。原作ファン、怖すぎない気軽に楽しめるホラーを求めている人にはオススメです。

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