幻影師アイゼンハイム

★★★★ 2006年公開のアメリカ映画。スティーヴン・ミルハウザー原作の小説『バーナム博物館』に収められた短編小説の映画化。主演はエドワード・ノートン

あらすじ:ある日、幻影師のアイゼンハイム(エドワード・ノートン)は、舞台で幼なじみのソフィ(ジェシカ・ビール)と再会する。皇太子の婚約者として注目を集める彼女だったが、その後ほどなくして謎の死を遂げてしまう。謀殺の噂が沸き立つ中、アイゼンハイムはソフィの幻影を蘇らせる前代未聞のイリュージョンを発表するのだが…。

地元アートスペースを使ったNPO主催の上映会で鑑賞しました。こういった話題性のない良作をスクリーンで観る機会って地方では全然ないので、こういったイベントはうれしいですね。お客さんは全然入ってませんでしたが・・・。この作品は2006年アメリカ公開、当初50館程度の公開だったのがクチクミで評判が拡がり、全米公開に至ったそうです。確かにすばらしい作品でした。同じ奇術師モノとしてはデヴィッド・フィンチャー監督の「プレステージ」がありますが、あちらが奇術師のイリュージョンに対する狂った執念を描いていたのに対して、こちらはあくまでラブストーリー。デートで観るなら間違いなくこっちでしょう。奇術師と女性を巡って敵対する皇太子はあまり良い人物ではないのですが、「デビルズ・ダブル」のウダイのような完全な暗君では無いのでちょっと気の毒でした・・・。そして驚愕のラスト、これにはトリハダでした。ほぼ完璧な作品だと思います。唯一ケチをつけるとしたら、その驚愕のラストを示唆するシーンは不要だったと思います。ノーヒントで良かった。まあそんなのは些細なことで、この作品はたいていの人が観て失敗しない、間違いなくオススメです。