恐怖

Jホラーシアター第5弾という位置づけで公開されたホラー作品。脚本・監督は高橋洋。キャッチコピーは「お母さん、私の脳味噌をどうするの?」←こわい!

あらすじ: 幼い頃に見た16ミリ・フィルムの映像に現れた不思議な白い光を目撃してしまった 姉妹みゆきとかおり。17年後、死への誘惑に取り憑かれてしまった姉、みゆきは失踪する。姉の行方を追うかおりは、禁断の脳実験を繰り返す母親、悦子と再会。美しき姉妹と狂気の母親を待ち受けていたのは、彼女たちが生きる現実そのものを揺るがす異常な惨劇だった・・・・。

高橋洋というJホラーのビッグネームが製作しているからといって成功するとは限りません。「リング」呪怨」などのヒットによって観客はある程度Jホラーのつくりに慣れてきていたんだと思います。この作品は、黒髪の顔色悪い女の霊で怖がりたい、そんなJホラーファンの期待を裏切る酷く難解で独特なものとなっており、成功にいたりませんでした。脳手術によって人為的に死後の世界にアクセスする主人公達はまるで仏スプラッターマーターズ」、あの世と現世が繋がる様は黒沢清監督の「回路」を思わせるのだけど、この作品はあまりにも時間軸をバラバラにし過ぎ、回収しない伏線をどんどん張るので混乱してしまい、恐怖を感じるにはいたりませんでした。また、序盤からさんざんあの世へアクセスにしているにもかかわらず、それによって得られるアンサーというものが一切なし。途中混乱しても納得できるラストが用意されていれば良かったのですが・・・。恐怖できるポイントは片平なぎさの顔芸だけでした。